FP1級として言いたい!
積立型の保険は、合理的ではありません。
薄い保障と、効率の悪い運用。
それなら『掛け捨て保険』と『オルカン』を組み合わせたほうが、ずっと賢い選択です。
でも……わかっているのに、家族に『解約しよう』と言うのは、どんな計算式よりも難しい。
なぜなら保険の正体は、数字ではなく『安心という名の思い込み』だからです。
今日は、理屈ではわかっていても一歩踏み出せないあなたと一緒に、本当の安心の作り方を考えたいと思います。
1級FPの僕が、計算機を置いた日
FP1級という資格を持っていると、どうしても「損か得か」の数字で物事を考えてしまいがちです。
積立型の保険を眺めれば、「運用効率が悪い」「手数料が高い」「インフレに弱い」……。
頭の中の計算機は、一瞬で「解約してオルカン(投資信託)に回すべきだ」という答えを弾き出します。
でも、その正論を家族にぶつけたとき、返ってきたのは納得の表情ではないと思ってしまうのです。
そこで僕は気づいたんです。
保険とは数字の損得ではなく、「安心という名の精神的なお守り」なんだということに。
積立保険の「中身」を分解してみる
そもそも、積立型の保険はどういう仕組みなのでしょうか?
専門用語を抜きにして言えば、それは「割高な幕の内弁当」のようなものです。
- 薄い保障(メインのおかず)
- 利回りの低い貯金(ごはん)
- 高い手数料(お弁当の容器代)
これらがセットになっているから便利に見えますが、中身をバラバラにしてみると、実は「おかず」はもっと安くて豪華なものがあるし、「ごはん」は自分で炊いたほうがずっと美味しい(増える)ことに気づきます。
「掛け捨て」+「投資」という、新しい安心の形
僕が家族に提案したのは、この幕の内弁当をバラして、自分たちで作り直すことでした。
- 保障: 必要な分だけ、安くて手厚い「掛け捨て保険」で備える。
- 貯蓄: 効率よく増える可能性のある「新NISA(オルカンなど)」で育てる。
「掛け捨て=お金が捨てるようで損」という思い込みを一度捨ててみると、実はそのほうが「今使えるお金」も「将来残せるお金」も最大化できることに気づけます。
30年後の「100万円」の価値を考える
今、僕たちが「将来のために」と積み立てているそのお金。
もし、30年後に物価が今の2倍になっていたら、約束された満期金で当時の子供の学費や自分たちの老後を賄えるでしょうか?
「数字が変わらない安心」は、実は「価値が減っていくリスク」をはらんでいます。
今のインフレを考えると、ずっと固定された数字を持ち続けることこそが、一番の不安要素なのかもしれません。
さいごに:家族と「未来」を話すために
結局のところ、保険は「将来儲けるための手段」ではありません。
万が一の最悪な事象が起こったときに、家族を守るための「金銭面のみのセーフティネット」であるはずです。
そう定義してしまえば、高い手数料を払ってまで「積立」という形をとる必要はないことに気づきます。
効率の悪い運用と、薄い保障。
その中途半端なセットに、大切な「今」の資金を縛り付ける合理性はないはずなんです。
それなのに、なぜ僕たちは積立保険に惹かれるのでしょうか?
それは、心のどこかにある「掛け捨てはもったいない」「少しでも得をしたい」という、損をしたくない気持ちが判断を狂わせているからです。
「お得」を求めて、本来の目的を忘れていませんか?
あなたが本当に保険を掛けたいものは、「30年後の数字」ですか?
それとも「今、この瞬間から続く家族の安心」ですか?
白紙のノートを前に、もう一度だけ、何のために保険を掛けるのかを自分に問いかけてみてください。
「保険とは、めったに起こらないけれど、もし起こったら自分のお金では対処できない事態に備えるためのものだ。」
— 出典:『いらない保険』後藤 聖弘
僕が保険の『正体』を確信するきっかけになった一冊です。数字の裏側を知りたい方は、ぜひ手に取ってみてください。
